レアもの紹介 〜オキュパイド・ジャパン

ニコン Wニッコール(S)3.5cm f3.5

ニコン用ニッコールとしては最初の広角レンズ。

当時の全ニッコール交換レンズ中最も安価であった事と軽快な操作性が人気で、長い期間製造されました。

…と、まあこのようなレンズなのですが…レア要素は見当たりませんですねぇ。

でもレアなんです。

それはここ、レンズ底部にある刻印。

「Made in Japan」ではなく「Made in occupied japan」。

オキュパイド・ジャパン(Occupied Japan)とは、第2次大戦後の「占領下日本」のことです。

第2次大戦での敗戦後、日本は1945年から1952年までGHQ(連合国最高司令官総司令部)の占領下にありました。

その占領下中、民間貿易が再開された1947年からサンフランシスコ講和条約が発効された1952年までの5年間、日本からの輸出品には「MADE IN OCCUPIED JAPAN」の刻印を入れるようにGHQから命じられていました。

つまり、この「MADE IN OCCUPIED JAPAN」の刻印は5年間限定の刻印であり、このレンズが占領下の5年の間に製造されたことを示す証となるのです。

この「オキュパイド・ジャパン」はカメラやレンズだけでなく、日用品から嗜好品まで様々なものが存在するようです。

特にアンティークの陶磁器や玩具の世界では昔からよく知られており、現在それらは「オキュパイド」や「OJ」あるいは「MIOJ」などと呼ばれ、そのクオリティの高さと稀少性から欧米ではコレクターも多いそうです。

敗戦まもなくのまだ物資も少なかった時代の日本で様々なものが製造され、海外へ輸出されていたかと思うと、日本のその後の目覚ましい復興と発展の始まりが垣間見えるようで興味深いです。