みなさん、取説、読んでますか?
デジカメの取説は、多機能ゆえぶ厚い上に色もなく、文章も含め全体的に突き放されているような印象を受けてしまいます。あまり読もうという気が起きません。
それにくらべ、60年代や70年代の銀塩MFカメラの取説は、薄いですが多色刷りで写真もふんだんに使われており、眺めているだけでも楽しいものが多いです。
そんな銀塩MFカメラの取説にあって、デジカメの取説にない項目のひとつが、”カメラの構え方”という項目。
ここには、ブレを防ぐ為のカメラの構え方についての解説が、カメラを構えている人物の写真とともに掲載されています。
人物は外国人だったり日本人だったり、モデルさんぽかったり、素人ぽかったり…。
その人物たちが、なんとも気になる。
その風貌、とても気になる。
カメラの構え方なんてそっちのけで気になるその人物たちを、勝手に『取説ダンディ』と命名し、ここでご紹介していきたいと思います。
今回はニコンのFMシリーズ。
FMでは、カメラの構え方に1ページが割かれており、黒いコートに髭の外国人がカメラを構えています。
こんな風貌の外国人を見ると反射的にチャック・ノリスを思い浮かべてしまう方もいるかと思いますが、このような場合、実際にはチャックにさほど似ていないことの方が多いです。
FM2は、英語版の取説から。
リチャード・クレイダーマンのようなヘアースタイルが確認できます。FMとは別の外国人であることは判りますが、風貌の詳細は不明。構え方についての説明は、縮小されています。
New FM2になると、また1ページ使っています。
これまた別の外国人。日本在住歴が長く日本語が堪能なタイプと想像します。
こっち睨んでます。少し怖いです。もうちょっとライティングをなんとかできなかったのか。
FM3Aになると、絵。どこかでみたことあるようなタッチ。素人の仕業にちがいありません。
FMの発売は1977年、FM2は1982年、New FM2は1984年、FM3Aは2001年。
この、70年代の濃いめ→80年代の薄め→00年代の絵、というこの流れは、他のメーカーの取説ダンディにもあてはまる図式です。
それぞれの時代の空気やカルチャーや価値観、カメラがどのようなツールとして位置づけられてきたのかが反映されているように思います。
…そういえばFM10のことを忘れていました。
今回は割愛とさせていただきます。