綺麗な花魁、入りました!
…といっても、当店は商売変えをした訳ではございません。
「花魁(おいらん)」といえば、遊郭の中でも最も位の高い遊女のこと。
映画「吉原炎上」や「さくらん」などでの派手な衣装や髪型、妖艶な立ち振る舞いを思い浮かべる人もいるかもしれません。
ですが、クラシックカメラの世界で「おいらん」といえば、この
『フォクトレンダー プロミネント (戦前型)』のことなのです。
発売は1933年。同じくフォクトレンダーの「ヴィルタス(ヴィルトゥス)」「ペルケオ」とともに、戦前のフォクトレンダーを代表するカメラで、ブローニーフィルムを使う6×9/6×4.5判兼用の最高級機です。
なんといっても特徴的なのが、ボディ上部の連動距離計。
この距離計の形状が花魁の髪型とかんざしや笄などの頭飾りを思わせることから、「おいらん」という俗称で呼ばれる所以となりました。
ボディ横についているこの古いSF映画のUFOのような形状のダイヤルは、光学式グレースケール露出計です。
連動距離計と露出計の装備は、フォクトレンダー初であり、当時のカメラとしてはかなりハイスペックな仕様です。
レンズは「ヘリアー 105mm F4.5」を搭載。
豊かな発色と柔らかくも芯のある描写は、現代でも十分に通用すると定評があります。
開閉ボタンを押すとスプリングと連動した非常に小さなチェーン(ちょうど自転車のチェーンをそのまま極小にしたような作り!)の動きにより、前蓋が開き、レンズボード部がレールを前進して定位置で停止する機構も驚きです。
戦前のフォクトレンダーが持っていた精緻かつ高度な加工技術のなせる技が凝縮されているといっていいのではないでしょうか。
今回入荷した個体は、6×4.5用マスクは付属していませんが、キレイな専用ケースとオリジナルのストラップが付属しています。
戦前クラシックカメラの至宝とまで称される名機。
クラシックな雰囲気、最上級機が持つ気品、精密機械の持つ独特の美しさと異形さを完璧なまでに合わせ持つのは、このカメラだけでしょう。
この機会に、ぜひ!
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