【初心者向け】これからフィルムカメラを始める方へ。〜フィルムの種類編〜

前回に続きフィルムの記事を。今回はフィルムの種類についてです。

主に現在流通しているフィルムは大きく分けると
・カラーネガフィルム(ネガティブフィルム)
・モノクロネガフィルム(ネガティブフィルム)
・リバーサルフィルム(ポジティブフィルム)
の3種類に分けられます。

【カラーネガフィルム】
この種類のフィルムが基本的に入手しやすいタイプです。
カメラ屋さんや家電量販店でもお求めやすいフィルムです。
きめ細やかなISO感度の低いもの、暗所に強い感度の高いもの等のバリエーションが複数選べます。
またフィルム自体の露出許容範囲(ラチチュード)が広いので、少しの露出失敗ならカバー出来てしまう面もあり、非常に心強いです。

現像したままのフィルムは画が反転しています。
camera:Konica III A

【モノクロネガフィルム】
白黒フィルムです。昔の写真のように単色(モノクローム)の表現を楽しめます。
カラーネガ程ではありませんが種類も豊富で、歴史のあるコダックやイルフォード、比較的新しいアリスタといったブランドが世界中にあります。
色鮮やかな世界ではありませんが、光と陰、回調(グラデーション)の美しさなど写真の芸術作品としての揺るぎない地位を確立しています。

現像したままのフィルムは画が反転しています。
camera: Nikon FE

【リバーサルフィルム】
別名スライドフィルムやポジティブフィルム(ポジフィルム)と呼ばれ、ネガフィルムが色反転して現像されるのに対しリバーサルフィルムは忠実に現像されてきます。
一コマに情報がギュッと凝縮され、データ化・プリントはもちろん仕上がりを眺めるだけでも楽しめてしまいます。
反面ネガフィルムに比べるとラチチュードがシビアで、露出失敗が失敗として記録されてしまいます。
また現像&プリントのコストもネガより掛かってしまうので、初心者の方には少し敷居が高いかも知れません。ですが、慣れてきたら是非チャレンジしてみていただきたいフィルムです。

現像したフィルムは実際の画が出てきます。
camera: Canon 7

【おまけ】
同じ35㎜フィルムですが、ハーフサイズという大きさもあります。
オリンパスPenやRICOHオートハーフなど、今でも根強い人気があるフォーマットですね。ハーフ判とはその通りコマの半分ずつを一コマとして撮影します。つまりニコンやキヤノンの一眼レフ、ライカといったフルサイズ機の倍の枚数を撮影することができます。
24枚なら48枚、36枚なら72枚…。かなりたっぷり撮影できますね。
当時はフィルムの品質もありL判に引き伸ばすと粗が目立つそうでした。
近代のフィルム品質はかなり向上し、L判でも十分耐えられる写真が楽しめます。

こちらはリバーサルフィルムで撮影したので、正像のままです。
camera: Olympus pen EE-3

データ転送などをお願いすると2コマ分を一コマとしてカウントされることも。
写真プリントは殆どのお店で1枚ずつプリントしてくれるようです。

映画フィルム(右)との比較。この映画フィルムはビスタサイズと言われるサイズで少し小さめの映像ですが、左のハーフ判とほぼ同じサイズです。
そのため、ハーフ判は「シネ判」と呼ばれることも。
映画用フィルムの本来のサイズに近いですね。

こちらはフルサイズとの比較。2コマ分で一枚というボリュームは、やはり引き伸ばしに十分な耐えられる大きさがあるみたいですね。

【まとめ】
今回はフィルムの種類についてお伝えしました。初めての方にはやはりネガフィルムをオススメしたいと思います。
カラーネガフィルムでしたら、最短で当日受け取りの出来るお店がありますので、気軽に常用フィルムとしても使ってもらえるかと思います。
モノクロフィルム・リバーサルフィルムは納期が少し掛かりますが、フィルムカメラに慣れてきたらぜひ一度試していただきたいです。
カラーネガフィルムとはまた一味違う感動を得ることが出来ると思います。


今回はフィルムの種類についてお話しました。
これからフィルムを選ぶ方のヒントになれれば幸いです。
素敵なフィルムカメラライフを送れますように。