エルマー 50/2.8 (L39)

camera : leitz minolta CL
lens :Elmar 5cm f2.8
film : Kodak Gold 200

泣く子も黙るライカのレンズです。特にこの「エルマー」というレンズはバルナックライカ用レンズとして登場。もはやカメラ界の歴史を動かしたと言っても過言ではないレンズです。
バルナック型ライカに正にぴったりな沈胴式デザインはいま現代に至っても輝きを失っていません。

L39マウントのエルマー5cm/2.8は1957年にライカIIIg用に開発されました。
その翌年Mマウント用も発売されますが、L39マウント版の方がややリーズナブルな気配です。

先輩のエルマー5cm/f3.5(レッドスケール)とツーショット。デザイン・サイズにかなり変化があります。重量も110g程アップしたようです。
それまでのエルマー5cm/3.5はレンズ前玉外周に絞りレバーがあったのに対し、こちらは横に設けられ、操作がしやすくなりました。
絞り羽根は15枚と非常に贅沢な作り。
ライカIIIfに付けて。沈胴させるととてもコンパクトです。(※ミラーレスやデジタルMライカは沈胴させるとセンサー部に接触する可能性があるので、要注意です)

新種ガラスを採用した半絞り明るいエルマー。果たしてその写りは…

シャープな描写の中に、どこか暖かみを感じる写り。
逆光気味に撮りましたが、予想以上に耐性があるようです。(ボディは布幕シャッターなので、ピンホールには注意)
別日に夜間の長時間露光を。非常にヌケが良く感じます。

最後にエルマー5cm/3.5(レッドスケール)と撮り比べ。

elmar 5cm/2.8
elmar 5cm/3.5

どちらも1/250、f8で撮影。
もちろん個体ごとのコンディションによるところはあると思いますが、個人的にはf2.8の描写が解像度が増した気がして好みです。

ライカの標準といえば名レンズ「エルマー5cm/3.5」と「ズミクロン5cm/2」の間に位置し、どちらかというと中途半端なポジションに感じる方もいるかもしれません。
ですが、写りに決して不足なくライカのレンズを存分に堪能できます。
何より、「気楽に撮ろうよ」と語りかけてくれているように感じられました。
アンリ・カルティエ=ブレッソンも愛用したエルマー5cm/2.8でスナップ散歩に繰り出すのはいかがでしょうか。

M-Lリングを使えば、M型ライカにも使用できますよっ。

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