AF一眼レフカメラ「Nikon F4」

1988年、常にプロフェッショナル機の頂点にいたニコンが世に産み出したフラッグシップAF一眼レフ、それがニコン「F4」です。

ニコンはそれまでF、F2、F3と機械式、電子式カメラを輩出してきました。
「F3AF」という機種もありましたが、AF速度的に余り実用的ではありませんでした。
旗艦機に先駆けて大衆機カテゴリのAF一眼レフ「F-501」「F-401」を送り出し、満を持して発売されたのがこのニコンF4でした。

それまでのF一桁機とは一線を画すデザイン。こちらもF3同様ジウジアーロ氏のデザインによるものですが、丸みのある曲線ボディが特徴的です。
今回のF4はスタンダードタイプで使用バッテリーは単三電池を4本です。

AF機としては今は珍しいシャッターダイヤルが軍艦部に搭載されています。
シャッター速は最高1/8000秒。この辺りにフラッグシップとしての風格を感じます。

撮影終わりには背面部の2つのレバーを操作すると自動巻き戻しが始まります。
が、そこはニコン。万が一に備え手巻きでも巻き戻せる様に巻き戻しクランクが装備されています。

Aiレンズはもちろん、非Aiレンズも使える様に連動ピンを倒せるのも嬉しい仕様です。

右手側に主な操作面を集約。露出補正やモード切替レバー。色々な所にロック解除ピンがありますが、慣れればそこまで面倒ではないかと。

上から覗くと、今のカメラの設定が目視で確認できる仕様になっているのがとても合理的ですね。撮影前でもカメラがどういう設定なのか一目瞭然です。

さて、今回の試写ですが、使ったフィルムは「コダック ポートラ400」です。
AF一眼ですがレンズはマニュアルフォーカスAi nikkor 24/2.8を選択しました。(ええ…
基本は絞りオートで撮影しました。

Ai nikkor 24/2.8

広角を活かして広々とした一枚を。ど真ん中から撮りたかったのですが、やはり人気スポットの様で隅からパシャリと。

Ai nikkor 24/2.8

逆光のため少しアンダーになってしまいましたが、お家が横顔の様に見えて面白かったので一枚。

Ai nikkor 24/2.8

近距離まで寄って一枚。後ボケが少しバブルな感じですが、メインの被写体は非常にシャープです。色も鮮やかで可愛らしいです。

路地裏でひっそりと佇む木を。とても力強い描写です。

【まとめ】
普段MF機ばっかり使っているので、AF機でスナップ撮影を行うのはとても快適でした。
またプラスチックボディでも内部は金属骨格でズッシリ感じるのですが、大型のグリップなのでホールドし易く感じました。
ファインダーも非常に見易く、何より高速シャッターの恩恵で開放寄りの描写が楽しみやすい特徴も素敵ですね。
操作系もデジタル機に近く、感覚的に使いやすい一台なのかなと思いました。

キヤノンの名機「EOS-1」とNo. 1を競い合った、プロフェッショナルの相棒を脇に携えてみてはいかがでしょう。
※とてもテンポよく撮影出来てしまうので、フィルムの消費にはご注意を。

AF DC 135/2Dを装着してみました。

camera: Nikon F4
lens: Ai nikkor 24/2.8
film :Kodak portra 400