中判カメラというとローライフレックスやハッセルブラッドを筆頭にフルマニュアルのカメラが多く、やや敷居が高く感じて躊躇してしまう方もいるかと思います。
そんな中、富士フイルムが1995年に世界に投入したのがGA645シリーズです。
このカメラはなんといっても全自動で中判カメラを楽しめるのが特徴です。
オートフォーカスや自動フィルム送りなど、中判フィルムでありながらGRやコンタックスT2などのコンパクトカメラのように軽快な撮影を楽しむことができます。
プラスティックのボディは片手で持てるほど軽量で、手にフィットしやすい曲面デザインです。
撮影枠は通常の構えで縦構図になります。スマートフォンのカメラの感覚に近いかもしれません。
背面は非常にシンプル。モードダイヤルには電源・マニュアル・絞り優先・プログラム・ISO設定を切り替えるダイヤルがあります。
また右手側にあるコマンドダイヤルとボタンでシャッター速も変えられます。
現在の設定を確認できる液晶パネルが付いているのも嬉しいですね。
裏蓋は蝶番式で右側からオープンします。
フィルムはスタートマーク合わせでは無く、スプールに先端を差し込んだら蓋を閉めて電源を入れるだけで自動的に1枚目にセットされます。
※ただし、ISO感度は手動でセットする必要があります。
また、MFモードがあり、目測で焦点距離を設定できます。
ファインダー内はフレームの下に
絞り・シャッター速度・被写体の距離がLEDで表示されてとっても便利です。
(構図が斜めになっちゃいました…)
そんなGA645の写りはというと、
非常に鮮やかな発色です。葉っぱの緑と花のピンクがかなり忠実に再現できているように感じます。
夜景も楽々。ピントを合わせた提灯のシャープさはもちろん、後ボケも自然でかなり綺麗です。
ちょっと意地悪な逆光撮影でもゴーストも無く、しっかりと看板を捉えていますね。
【まとめ】
いつも中判カメラは二眼レフやコニカパールなどフルメカニカルカメラばかり使っていたので、AF自動カメラを使うと「こんなに快適でいいの?」とまで思ってしまいました(笑)
現代チックなカメラなので往年の総金属ボディのような重厚感はありませんが、その分気負わずにシャッターチャンスを逃さないで使えるスナップシューターのようなカメラに感じます。
電源ダイヤルのロック解除ボタンが押しづらくそこが唯一気になりましたが、その分誤動作防止につながっているのでそれほど欠点とは思いませんでした。
また、6×4.5という120フィルムの中では一番小さいサイズですが35ミリフィルムより高精細な写真をとることが出来るのは魅力的で、6×6以降のフォーマットサイズに比べるとフィルム一本の撮影枚数が16枚と多いので、心に余裕が出ます。
「旅行に持っていくカメラ」というより、「このカメラで撮りたいから旅行に行く」
まさにそんな事を思わせてくれるカメラでした。