国産二眼レフ「ヤシカフレックスC型」で撮る軽快スナップ

フィルムカメラが好きな方でも中判カメラとなると敷居が高く感じてしまう方も。
特に「ハッセルブラッド」「ローライフレックス」などの世界的有名ブランド製のカメラは段々と相場は高騰し手を出しづらくなってしまっているのも手伝って躊躇してしまうかもしれません。

確かにハッセルブラッドやローライフレックスは中判フォーマットでも不動の頂点に君臨するカメラです。
しかし、中判フィルムを使えるカメラはその2ブランドだけでは決してないのも事実。
これから中判カメラを始める方にも気楽に扱えるヤシカフレックスC型のご紹介です。

1955年に日本のカメラメーカー、ヤシカから販売された二眼レフ機です。フィルム巻取りが1コマごとに止まってくれるオートマット仕様です。
操作性は一度使ってしまえば感覚で操れるくらい至極シンプルで、これから中判カメラを始めようと思っている方にも入門機としておすすめです。
撮影枚数は1ロールで12枚。高精細な6×6のましかく写真が撮れちゃいます。


ヤシカは先の大戦終結直前の1945年5月に前身「八洲精機製作所」が設立されます。もっとも設立時は軍需用品の下請けメーカーを事業としていたみたいです。
戦後、時計などの下請けを経てカメラ製造に関わるようになっていったそうです。
しかしヤシカといえば時は1974年、あの“カール・ツァイス”と提携し一眼レフ「コンタックスRTS」の生産発表をしたのが一番の話題ではないでしょうか。
今現代でも絶大な存在感、プラナーやディスタゴンのヤシコン(Y/C)マウントレンズヤシカ・コンタックスマウント、つまりヤシカが産み出したマウントなんですね。

シャッターは安心のコパル製。

今回のカメラの話に戻ります。
正面から見て左下のボタンがシャッター。レンズ左右の矢印がシャッター速と絞りです。シャッター速度レバーのほぼ同位置にシャッターチャージレバーがあります。
シャッター速はB.1、1/300ですが、通常撮影では特に支障はないのではないでしょうか。
F値は3.5から22までとこちらも一般的。

ヤシカといえばレンズは伝説の“富岡光学”製のものが多いので、この機種もそうなのでしょうか…

レンズはヤシコール80/3.5。3枚玉で、後ろボケに特徴が出やすいですが、枚数が少ないのでヌケは良いと思います。

続いてフィルム装填方法です。

フィルムをセットして、スタートマークが赤矢印に来るまで巻きます。
フタを閉めたら、右側面のフィルム巻取り解除ボタンを押しながら直ぐ右下の小っちゃいレバーを押し下げます。
するとフィルムカウンターが“S”にリセットされるので、1まで回します。
ここから1コマ毎に巻取りがロックされるので、1枚ずつ撮影していきます。巻き忘れると画が重なっちゃうのでご注意を。

今回の撮影はフィルムはコダックGOLD200(120)を使用。
さて、気になる試写結果は。

Yashicaflex-C

色味がとても自然に出ている気がします。ボケ方も煩くないのでは。

Yashicaflex-C

昔ながらの雑貨屋さん。曇天のため絞りを開けたからか被写界深度が浅く写ってしまったかも知れません。奥も若干ざわついて見えます。

Yashicaflex-C

巨大なクレーンなのに半分影で隠れているのが何となく面白かったので撮影しました。骨格など細かい部分も精密に描写してくれたように感じます。

【まとめ】
個人的に非常に扱いやすいカメラでした。スクリーンも明るめでピントが見やすく、ストラップも特殊な金具は不要で、汎用品をくぐらせて運用しました。
写りも見たままに近い色味に感じられて、使いやすいカメラに感じました。
二眼レフということでズッシリとした重みですが、金属製35ミリ一眼レフにレンズを付けたらそれ程差は無いかもですね。

ヤシカはいわゆる大衆機メーカーから始まりましたが、安かろう悪かろうでは決して無い性能の良さでファンの心を掴んで行きました。
コンパクトカメラから世界的メーカー“コンタックス”ブランドまで、激動のカメラ業界を駆け抜けたブランド「Yashica」に触れてみてはいかがでしょうか。

【関連商品】
コンタックス Aria (A2221)
コンタックス プラナー 50/1.4 AEJ (A1377)
・ヤシカ DSB 50/1.9 (K0413)
コンタックス G1 (ROM未改造) プラナー45/2付 (A1821)