高品質なMFレンズの展開に定評のある日本のレンズメーカー、コシナ。
歴史あるカールツァイスやフォクトレンダーのブランドネームで名玉を生み出してきました。
そんなコシナによる2023年発売のフォクトレンダーブランドレンズ「NOKTON(ノクトン) 50mm f1」の試写をしてきました。
研削非球面レンズを採用した大口径レンズです。
またフローティング機構を装備することにより、最短から遠距離まで安定した画質を得られるのも特徴とのことですね。

画像からもわかる通りド迫力の外観です。ピントリングのローレットがニコンZfとの親和性を高めています。

レンズの重量は598g。確かにズッシリと感じますが、見た目に比べて思ったほど重くは感じなかったです。

銘板には「50mm f1」の刻印が誇らしく刻まれています。

マウント部には電気接点が設けられ、Exif情報などを登録することができます。
ではここから試写結果です。
今回はNOKTON 50/1の1本だけをZfに装備して群馬に行ってまいりました。
すべてjpegにて撮影、画像はブログ用にサイズを縮小しています。

昼間から解放撮影を試みました。1/2000でもハイキー感が出ていますね。
文字の解像は非常にシャープですが、左右に緑と紫の偽色が見られます。

陽ざしの落ち着いた場面で少し絞って撮影。前後のなだらかなボケ感で、バス停の板面が引き立って見えました。

レンズによっては解放値でもあるf2にて。Zfをはじめとするミラーレス一眼ではピント面の拡大が可能な機種が多いので、トンボもピントをくっきり合わせて映し出せました。

もちろん絞ることで通常のレンズと同様に使用できます。夕陽の反射する川面など、非常にヌケの良い1枚が撮影できたと思います。

有名なレトロ自販機の聖地のうちの1か所で撮影しました。普段はあきらめるか高感度に設定して撮影するシチュエーションですが、iso400のまま手ブレせず撮影することができました。

都内に戻ってきての1枚。周辺に行くにしたがって半月のような口径食が見られますが、メインの被写体には解放値f1ならではの少し柔らかな雰囲気の描写が感じられました。
【まとめ】
圧倒的なボケ量の世界を楽しめました。特に夕陽が落ちてからのナイトフォトに真価を発揮しそうな印象を受けました。
一般的な標準レンズに比べるとサイズ・重量が大きいのは否めませんが、普段とはまた一味違った世界の写真を作り出すことが可能になっています。
極薄の被写界深度をあなたの手で使いこなしてみませんか?
【おまけ】
国道日本最高地点での一枚。
逆光のためか、全体的に少しフレアっぽい写真になってしまいました。
光の向きに気を付ける必要がある場面も出てくるかもしれません。
