光沢ボディに大口径の重さ「東京光学 Topcor 5cm f1.5」

ライツ社のズマリット、カールツァイスのゾナー、日本光学のニッコール、精機光学のセレナーなど…
各社がこぞって開発していた大口径レンズ。
もちろん東京光学も製造していました。
今回のご紹介レンズは「Topcor 5㎝ f1.5(L39)」です。

1954年に販売されたレンズで、それ以前に東京光学が発売していたシムラー5㎝ f1.5(1950年)の後群を変更して開発されたようです。
レンズ構成はシムラー銘と同じく4群7枚。外観も少々違うみたいですね。

320gの堂々たる体躯は実際に手に持ってみるとズッシリと感じます。

TOKYO KOUGAKU」ではなく「Tokyo Optical」の刻印に小さなロマンを感じてしまいます。

絞り羽根は12枚と贅沢な造り。絞り込むとキレイな円形です。

今回の試写はライカM6で。
L39マウントレンズのためHANZA製LMリングを使用します。
使用フィルムはフジフイルムのハイスピード400で行いました。

今回は開放絞りの写真メインでお送りします。

開放にて。やや滲みが見られますが、瓶やコルクの驚くほどの質感描写です。。

f4ほどで。自転車の金属感や水滴の生々しさを十分再現出来ていると感じました。

同じく開放で。ピンクの鮮やかな発色や、自然な後ろボケも好ましく感じられます。

さすがにf1.5では若干滲むように見られますが、中央部分の解像感が優秀なため雰囲気を壊すことなくまとめられていると思います。

f4ほど。光の反射した幌など大好物です。トプコールレンズは朱の描写がとても優れている様に感じます。

f5.6程だったかと。撮影したころはまだ桜が残っていたので、駆け込みスナップを。奥行き感が伝わってきます。

背景によっては少し後ろがザワつく気配がしますね。

開放にて。四隅が落ちて少し滲み、なにやらシネマティックな雰囲気ですが、相変わらず中央の解像感は素晴らしいと思います。

【まとめ】
噂に違わぬレンズでした。
1954年といえば怪獣王ゴジラの生まれ年ですが、世界の映像作品がほぼモノクロームだった時代に作られたレンズで総天然色を再現出来たことに当時の技術力の高さを感じます。
金属鏡胴にガラスの塊と決して軽くはないレンズですが、仕上がりを見てしまうとつい持ち出したくなってしまいました。
悩ましいことに製造数が多くない&お安くは無いのがネックですが、写りをみてしまうと市場相場も決して不当に感じられない名玉だと思いました。

【おまけ】
ライカのズマリット5㎝ f1.5(左)と。
金属素材や光沢など違いはありますが、なんだかイトコのような愛くるしさがあります。
(ズマリットの方がメートル表記なのが羨ましい担当でした。)