今回の試し撮りは1955年に発売された東京光学「トプコール」銘のL39マウントレンズです。
L39マウントのトプコールは50mmが多様に製造されましたが、望遠と広角は非常に少数でした。
望遠側は9㎝ f3.5と13.5㎝、そして広角側はこの3.5㎝のみのラインナップです。

アルミを採用した光沢のある鏡胴。見た目に反して思ったよりも軽く出来ています。

4群6枚構成のオルソメター型の様です。ズマロン35/3.5後期型のようにピントリングを回しても絞りの位置は連動しないので、実用としても使いやすいです。

無限遠から動かない様にストッパーが装備されており、フォーカスノブと相まっていかにもクラシックレンズという趣。
距離指標はFeet表記です。目測スタイルの方は少し慣れが要るかもしれません。

L39マウントレンズのため、ライカM6への取り付けはHANSA製のLMリングを使用しています。
ではここから試写の結果です。
フィルムはフジフイルム ハイスピード400を使用。
これまで素晴らしい写りを魅せてくれたトプコールレンズ。
今回はどのような結果を見せてくれるのでしょうか。

陽ざしの強かった昼頃ですが、そのせいかニッコールレンズにも負けない力強い描写に仕上がりました。奥の壁画も潰れずに残っている優秀な性能です。

路地裏での一枚。広角レンズなので被写界深度は深めですが、距離を詰めることでボケを作ることが出来ました。

幌の素材か、はたまた色味か…。トプコールの描くこの質感がたまらなく好きです。

夕暮れ時の一枚。蛍光灯の優しい光を反射するタイルなど雰囲気が出せたと思います。

コントラストが強く出そうなシチュエーションでしたが思ったよりまとまった印象です。
暗部も潰れず出ていますね。
【まとめ】
アルミ地に35mmの画角ととても軽快なスナップを体験出来ました。
ストッパーあるあるですが無限遠位置でつい“パチッ”とはまってしまうため少し慣れが要りましたが、操作性もよく楽しんで撮影を行えました。
シャープに映しながらも、どこか柔らかさを感じられる描写だと思いました。
欠点としては出物が少ないのと少々高価なところでしょうか…。
気のせいか四隅の方がやや流れている?様に見えますが、スッキリとした表現が得意なのかなあと感想を持ちました。
海外製レンズに負けない国産メーカーの底力を堪能できた一本でした。

【おまけ】
レンズと付属する等倍ファインダーと集合写真。レンズよりも主張の激しさを感じますね。
