TOPCON中望遠レンズ『RE AUTO TOPCOR 85/1.8』

かつて多くのカメラファンに愛されたブランド、トプコン。東京光学の作り出したレンズはどれも評価高く、特に標準レンズの最高峰『RE AUTO TOPCOR 5.8/1.4』は、著名な写真家から「f1.4レンズの最高峰」との誉を得たとか。

そんな東京光学の中望遠レンズ『RE AUTO TOPCOR 85mm f1.8』を試し撮りしてみました!
中々情報の少ないこのレンズ。約1000本ほどの生産だったとの噂もありますが、真相はどうなのでしょう。

マウント側の後群に比べ、前玉の大きさが目を引きます。レンズ構成は空気レンズを採用した5群6枚。

今回は登場時期の近い『TOPCON SUPER DM』(1973)に装着して試写を行いました。

漆黒のボディにベストマッチですね。それにしても大迫力です。

早速仕上がりを見ていきましょう。
今回の試写は「KODAK ULTRAMAX400」と「KODAK PORTRA160」を使用しました。

RE AUTO TOPCOR 85/1.8,KODAK ULTRA MAX 400

ややアッサリとしながらも色鮮やかな発色に感じます。淡い紫色がしっかりと表現されていました。

RE AUTO TOPCOR 85/1.8,KODAK ULTRA MAX 400

意外と色彩豊かなもので飾られている祠。各色ともバランスよく納められています。

RE AUTO TOPCOR 85/1.8,KODAK ULTRA MAX 400

地味に露出の決定が難しい夕焼け空も立体的に表現できたと思います。

RE AUTO TOPCOR 85/1.8,KODAK PORTRA160

老舗の佃煮屋さんを。壁面の木目や看板の質感が非常に魅力的に切り取れたかと思います。

RE AUTO TOPCOR 85/1.8,KODAK PORTRA160

いつもお世話になっている床屋さんの窓際の飾り。狙っていたところにバッチリピントが合うと嬉しいです。

RE AUTO TOPCOR 85/1.8,KODAK PORTRA160

同じ床屋さんにて。私が利用する何十年と前から、どれくらいの数のお客さんが腰を下ろしたことでしょう。

【まとめ】
今まで50ミリ付近ばかり使用してきたので、中望遠レンズの画角に慣れるのに苦労してしまいました。ですが仕上がりを見て、その立体感や質感に思わずため息が出てしまいました。
特に今回の「RE AUTO TOPCOR 85/1.8」は同社製二眼レフの「PRIMOFLEX」に近い発色描写で好みでした。
私個人の撮影スタイルだと85ミリのみでのスナップは中々難しいですが、強調させたい被写体に出会ったとき用に常に持ち歩いていたいレンズでした。
あまり市場でお見掛けしないレンズではありますが、ボケを活かした立体的なポートレイトを狙っている方には非常に魅力的に感じるレンズでは無いでしょうか。

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