中判スプリングカメラ「海鴎-203」

camera: SEAGULL-203
lens: S-111-2 75/3.5
film: ARISTA EDU URTRA 100 B&W

「シーガル」というとなんと無く二眼レフのイメージがありますが、あまり見かけない印象の蛇腹カメラ「海鴎-203」です。
ほとんど情報が無くてバックグラウンドを辿れなかったのですが、中国の「上海海鴎照相機」から1963年頃に販売され、比較的近年まで流通していたようです。
「シーガル」はこのメーカーのブランド(または略称)のようですね。

蛇腹展開。レンズは特に名称は無いようです。
日本産のカメラでも中々見ない漢字刻印。渋いです。
基本は6×6の正方形ですが…
両脇の板を起こす事で6×4.5判に出来ます!(撮影中切替不可)
巻き上げレバーが付いています。かなり楽ですが、オートマットでは無く裏蓋の赤窓で一枚ずつ巻き留める方式です。
蛇腹との連結部根本にある歯車がピントリングと連動しています。

シャッター速はB.1〜1/300秒。少し物足りませんが、撮影は十分出来ます。高感度フィルムは向いてないかも…。
ライトバリュー式で、シャッターダイヤルと絞りが連動します。

多重露出防止機構が搭載されています。巻き上げられていないとシャッター釦後ろの孔が赤いですが、
巻き上げると黒丸に変わります。ただし、別にあるシャッターをチャージする必要があります。

今回はモノクロフィルムの「ARISTA EDU URTLA 100」で撮影を行いました。気になる試写の結果は…

絞りこむと、予想以上にシャープに写っていてビックリです。
非常にクッキリと写せました。元々コントラストの高めなフィルムですが、海鴎のレンズと相性は良いのかもしれません。
メニューにピントを合わせました。左上の提灯がほのかにボケています。

【まとめ】
かなり軽快なスナップ撮影が楽しめました。個体差はあるかもしれませんが、距離計も見易く狙ったところにほぼジャスピンといった具合で撮影できました。

ただ距離計の構造が他のレンジファインダーに比べて独特で、上下左右の調整がかなり難しい&狂いやすいのでは…?と気になりました。
割り切って目測で撮影するのも手かも知れませんね。

どこかミステリアスな中国製の写真機探報。
ビギナーの方が触るとヤケドをしてしまいそうですが、
一歩踏み込むと抜け出せない迷宮のように感じました。