俗に言うロシアレンズやロシアカメラと呼ばれるジャンルですが、当時はソビエト連邦(ソ連)だった為、ソ連カメラと呼ぶのが正しいのでしょうか。
第二次大戦終戦直後にカールツァイスの技術者たちを戦後賠償の一環として連行、ウクライナのアーセナル工場にて製作されました。ツァイス・イコンのコンタックスをそっくりそのまま作らせたそうです。その為、コピーというよりはクローンだと言われる方もいますね。
今回のカメラはその中の1977年に製作されたモデル「KIEV 4M」です。
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ツァイス・イコン社の銘機「コンタックス」とそっくりですが、本家に比べるとやや粗い作りなのが伺えます。
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軍艦部。シューのシリアルと工場マークが目に入ります。
右側がシャッター速度ダイヤル&巻き上げノブ&レリーズ。
左側が露出計ダイヤル&巻き戻しクランク。
フィルムカウンターは手動式で、露出計はセレン式です。
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底部は上部よりスッキリしています。コンタックスに準じて、左右のノブを回して裏蓋を引き抜く分離式になってます。
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こちらの機種は巻き戻しボタンが無く、分離ノブを赤点に合わせると歯車がフリーになるという初見殺しのタイプでした。
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コンタックスといえば縦走り式鎧戸シャッター。ここも再現されています。
スプールは外れないので、コンタックスよりフィルム装填は楽かもしれません。
【試写】
前玉にかなり傷のあるヘリオス-103 53/1.8。調子の良い個体があまりないと言われるキエフ。
果たして結果は…
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逆光気味で撮影すると、もろに影響が出ますね。傷とノンコーティングのせいかフレアやゴーストが盛大に出てしまいましたが、レトロな被写体にはマッチしてるかもしれません。
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順光で撮影すると、かなり向上します。鉄釜の金属感がかなり好みです。
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日陰だとほとんど問題なさそうです。前後のボケで立体感を感じる写りです。
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ふわっとした描写がレトロな優しさを演出しています。
【まとめ】
今回の個体は二重像もハッキリとしていて、非常に撮りやすかったです。
ただしシャッター速度セットのクリックがとてもシビアだったのと、巻き上げ後に速度を変更しようとすると変更が非常に硬かったのでこれは中々辛いところでした。
とは言え巻き戻しがクランクだったため非常に快適だったのと、鎧戸シャッターが予想より静かなレリーズ感だったので終始楽しんで操ることができました。
もちろん本家のコンタックスに比べると詰めが甘く感じる所があるでしょうが、実用的なコンディションの本機は肩の力を抜いて楽しめるカメラでした。
camera: Kiev 4M
lens: Helios-103 53/1.8
film: Kodak Gold200