ニコンFE&Ai 43-86/3.5で行く下町散歩

段々と夏の訪れを肌が感じてきましたね。(関東はまだ梅雨明けしてませんよね?)
今回は快晴の下、月島→銀座までスナップ散歩を行いました。

お供はニコンの絞り優先一眼レフカメラ「Nikon FE」、レンズは『Ai Nikkor 43-86/3.5』を付けました。フィルムは『富士フイルム スペリアプレミアム400』を使用しました。

人気のブラックボディ。使い込まれ地金が露出してきているのが渋いですね。

ニコンFEは1978年に誕生した絞り優先AE搭載のカメラで、シャッターダイヤルを“A”の位置にしておけば、設定した絞り値に合わせてシャッター速をカメラが決めてくれる非常に嬉しい機能が搭載されたカメラです!

そして伝説のレンズNikkor 43-86/3.5はニコン愛好家には“ヨンサンハチロク”の愛称でおなじみ、1963年に登場した日本初の標準ズームレンズです。
現代のズームレンズはフォーカスと焦点調節がそれぞれ独立しているのが一般的ですが、この頃のズームレンズはピントリングをそのまま前後に伸長させて画角・ピントを合わせます。
その周辺の光量落ちや解像力の低下、歪曲など独特の描写は当時のユーザーを悩ませたそうですが、逆に若い方にはその甘い写りがどこか優しさを含んだ描写に感じられるかもしれませんね。
ちなみに今回のヨンサンハチロクはAi Nikkorになってからのもの。7群9枚だった初代モデルから、マルチコーティングや8群11枚への構成変更により周辺の性能が改良されたモデルとのことです。

広角端43mm時の状態。
望遠端86mm時の状態。カラフルな被写界深度目盛、通称“ヒゲ”が姿を現します。
鏡胴側面に焦点距離の目盛が刻印されており、現在の画角を把握することが出来ます。
Aiレンズなので、FEの機能をフルに活用できます。

ではここから実写です。

佃大橋の下をくぐります。

佃小橋。モダンとレトロが共存する構図です。

出来上がった写真を見てみると、確かに言われてみれば少し歪曲しているようにも見えますが、個人的には思っていたより悪い描写ではないように感じました。

住吉神社に到着。非常に静かで心の落ち着く神社でした。

近くのアジサイをパチリ。f値は結構絞り込んではいるのですが、何となく不思議な描写に。

なんとも豪快なフレアが出てしまいました。意図せぬ効果もオールドレンズの魅力の一つですね。

佃大橋を渡って隅田川沿いに。位置関係もあってタワマン群が背の順で並んで見えたのが面白かったです。

こちらは築地の波除神社。朱色が鮮やかに映えています。

築地場外のオシャレな窓。広角端で撮ったところ、少し歪曲しているように見えます。

おなじく築地場外。非常に雰囲気のある路地です。

名所の一つ、築地本願寺。初めて足を踏み入れましたが、中にカフェが入っていて驚きました。やはり歪んでみえますが、自分も傾いてる?一枚になりました。

銀座に戻ってきました。いつもの見慣れた光景に入るとどこかホッとします。

【まとめ】
割と近くにある所でも普段あまり歩かない場所にいくのはワクワクします。
目に見えるものがすべてフォトジェニックに見えて、バシバシとシャッターを切ってしまいました。特にAE機能搭載のカメラだととてもテンポ良く撮影が出来るので楽しいですね。
今回使用したニコンFEですが、まだ調子の良い個体には出会えそうなので気軽にお散歩スナップを楽しみたい方はいかがでしょう?
(少し経年が不安な方は後継モデルの『FE2』、プロが認める堅牢ボディに憧れる方は『F3』を選択肢に入れるのも全然アリだと思います)

また今回のレンズAi43-86/3.5も、レンズの持ち手を変えずにフォーカス&画角を変えれるのは非常に使いやすかったレンズでした。
広角端が43mmとワイドと言えるかは微妙なところではありますが、小型・コンパクトな標準ズームのパイオニアとしてその存在感をこの手で体感できました。
ただやはり初代ほどではありませんが各収差の主張は感じるので、バランスの取れた描写を求める方はこの後に誕生した「Ai Nikkor 35-70/3.5」や「Ai-S35-70/3.3-4.5」の方が良いかなあと思います。

まもなく夏がやってきます。屋外スナップの際は、体調に気を付けて十分な休息を入れつつ楽しみましょう。

【おまけ】
同行した友達がモデルをしてくれました。(掲載許諾済)ありがとうございます!
(撮る側も猛練習中です!)