今回は驚異の低感度ISO8(!)を誇るロモグラフィーのモノクロフィルム“ファントム8”を試写してきました!
「日中に開放でフィルム写真を撮りたいなあ」
という軽い心構えで調べていたら見つけてしまったこのフィルム。
はたしてどんなスペックを秘めているのでしょうか。
今回のこのフィルムは、2020年発売の35mm映画用フィルムを加工したモノクロフィルムです。
以前ブログでバビロン13を試写しましたが、同じシリーズですね。他にもポツダム100というモノクロフィルムを展開しています。
撮影枚数は36枚、映画用フィルムということもあり35mmのみの販売ですね。
ちなみにこのフィルム、DXコード未対応なので、手動で設定するか単体露出計を用意する必要がありそうです。コンタックスT2など、ISO自動設定のみのカメラには適さないでしょう。
担当もカメラ内露出計を使って撮影する気満々でしたが、ISO感度が8まで対応しているカメラがなかなか思いつかず悩んでいましたが…
“ニコンF2フォトミックA”
1978年に発売されたモデルで、1971年に登場した「F2フォトミック」の発展型です。1977年のニコンFMの流れをくむAi方式に対応した機種で、それまでのいわゆる『ガチャガチャ』をせずともレンズセットのみで露出計と連動する仕組みが備わっています。また連動レバーを押し上げるとオートニッコールやニューニッコールといった旧タイプのレンズも使うことが出来ます。(ただし絞り込み測光のみ可能です!)
彼のフォトミックファインダー『DP-11』は最低ISO感度6まで対応しているので今回のお供に選びましょう。
F2にフィルムを装填します。
さて、どのような写りになるのでしょうか…
今回はほぼ50mmを装着して撮影しています。
現像はコダック仕上げをお願いしました。
なんというハイコントラストでしょう。白飛び、黒潰れが激しいですが、階段や壁面はかなりきめ細やかな描写です。
ISO8という超低感度は、日中でも開放寄り&1/60辺りを要求してきます。そのおかげか昼間でもボケを活かした写真が作りやすいです。
コントラストを強調させたモノクロは、カラーとはまた違った物語を演出してくれますね。
初めて使うフィルムですが、なぜかノスタルジックさを感じてしまいます。
雰囲気が歴史資料の写真に似ているのでしょうか?
ハイコントラストながらも空の色を出すことが出来ました。ニッコールを使ったからか、非常に線の太い力強い描写ですね。
望遠300mmにて。つい油断してしまい、手ブレを起こしてしまいました。
f値の暗い望遠レンズは細心の注意が必要です。
【まとめ】
露出を決めるのがかなり難しいフィルムでした。普段よりも限られた範囲の露出の中で絞り(被写界深度)を優先するかシャッター速(手ブレ)を優先するか、非常に神経を使った撮影だった印象です。
ですが出てきた画はどこか非日常的でとても面白く、普段は柔らかいモノクロの階調に慣れている方には非常に刺激的に見えるのではないでしょうか?
何とか上手く扱いこなせるようにしたくなりました。
粒状感のきめ細やかなモノクロ写真を撮りたい方、クラシック映画のような世界観で表現してみたい方に是非お試しいただきたいフィルムです。