銀幕の小さな部屋 13巻目 「MINAMATA」

水俣病訴訟を記録した実際の写真家、ユージン・スミス氏の後半生をにした「MINAMATA」が公開されましたね。
担当もようやく鑑賞できましたので、劇中で活躍したカメラをご紹介していこうと思います。

【あらすじ】
かつて名声を浴びたユージン・スミスは契約していたライフ誌からも煙たがられ、荒れた安アパートでアルコール漬けの毎日を過ごしていた。ある日ひょんな事からアイリーンという女性から、日本の水俣市での公害問題を撮影してほしいと持ちかけられる。最初は拒否したユージンだったが、彼女から受け取った資料を目にし、日本の土を踏む…。

主演のユージン・スミスを演じるのは世界のトップスター、ジョニー・デップ。
のちに妻になるアイリーン役には美波。また水俣市民として、浅野忠信や加瀬亮。訴訟相手となるチッソ社長に國村隼と錚々たる顔ぶれ。
「役にジョニーデップが消えた」と評されるほど真摯な演技に徹したジョニー・デップと日本の実力派俳優陣のぶつかり合いは必見です。

さて劇中では様々なカメラが登場しますが、中でもユージンの相棒カメラとなる「SR-T101」が印象的ですね。劇中ではシルバー、ブラックともに使用しています。

SR-T101はプロ機としてニコンFが君臨している中、1966年に普及機として登場しました。カメラとして非常にベーシックな意匠で、操作もとてもシンプルなカメラです。

マウント部にある出っ張りは露出計連動レバーです。この時代からレンズを装着するだけで露出計連動するシステムを採用していたのですね。同時にこのシステムを使用できるMCロッコール レンズが登場しました。
さらに上部の“CLC”は「Contrast Light Compensator」=上下分割開放測光の略です。この方式はSR−T101が世界初で、改めてミノルタの技術力の高さが伺えます。

機械式の横走り布幕シャッター、速度はB〜1/1000と通常使用に十分なスペック。他メーカーの機種を使っていても、操作を迷うことはほとんど無いと思います。非常に使いやすいカメラだと思います。
シャッターボタンと巻き上げレバーが同軸なのがオシャレですね。

氏の当時のポートレイトでは、オリンパスペンFTやニコンFを携えた写真も見受けられ、複数台使い分けていたのがわかります。当初はライカを使用していたみたいですが、来日してすぐ盗難に遭ってしまいました。そこに機材一式の提供を名乗り出たのがミノルタだったのは有名な話ですね。
後のライツ社との提携は、もしかしたらユージンがミノルタで作り出した写真がきっかけの一つになったかもしれません。

非常にシンプルで使いやすいデザイン。世界が認めたミノルタの写りをお試しください。

ミノルタSR−T101(黒)はこちら
・当店をご紹介いただきました。

出典:「MINAMATA」(2020年)
監督:アンドリュー・レヴィタス
出演:ジョニー・デップ、美波、加瀬亮、國村隼…etc