レンジファインダーカメラ「ミノルタ ALS」

camera: minolta ALS
lens: Rokkor QF40mm f1.8
film: Kodak GOLD200

今回は露出計、距離計を搭載した世界一コンパクトなカメラ(当時)を追求したものの、あまり脚光を浴びなかった悲運のカメラ「ミノルタ ALS」ご紹介です。
ALSは1964年に発売されたミノルチナSの後継機種として、1966年に販売されました。
しかし不遇にも世間は一眼レフ旋風が吹き荒れ、コンパクトカメラというジャンルはさほど注目されなかったそうです。

ソフトシャッターレリーズを付けると、シャッターフィーリングが格段に良くなります。

軍艦部はすっきりスタイリッシュな意匠。巻き上げレバーがボディ背面に収納されているデザインなので、とてもすっきりしています。
結構薄型のスリムボディで、触った時に「おおっ!」とテンションが上がってしまいました。

サイズ的にはハーフ一眼の傑作「オリンパス・ペンF」に近いかも知れません。


ミノルチナSがセレンを使用した露出計だったのに対し、ALSはボタン電池を使ったCdSメーターです。
ただし機械式カメラなので、万が一露出計が故障してもマニュアル撮影は続けられます。

シャッターダイヤルはクリックあり、絞りリングはクリックはありません。

レンズはロッコール40mmのf1.8。比較的明るいレンズが搭載されています。40mmという画角もスナップに使いやすくて良いですね。
シャッターはミノルチナSのシチズン製からセイコー製に変更になっています。
シャッター速度はB〜1/500。

フィルム室の下が大きくカットされています。フィルムを入れやすくするためでしょうか。めちゃくちゃ入れやすいです!

こちらの個体はレンズ後玉にかなりのカビ跡、さらには露出計用のコードが断線と困った状態。
露出は体感で撮影しましたが、果たしてカビ跡は影響してしまうのでしょうか…

思ったよりしっかりと写ってくれました。ライトに照らされた緑が鮮やかです。

カビ跡の影響か光源に向けるとややハレーションが生じましたが、どこかノスタルジックな雰囲気が出て悪くない一枚になりました。

曇天の日中でも小型なボディからは想像しにくい、なかなかシャープな画を作ってくれました。

お散歩スナップのお供に連れ歩きましたが、レバー式巻き上げで軽快に操作が楽しめました。
裏蓋ロックや絞りリングがややチープに感じる質感ですが小さいのにずっしりと存在感のある、今の時代にこそ再評価されて欲しいカメラに感じました。
愛くるしいルックスですが…この子、結構やりますよ。