以前35ミリフィルムについてご紹介しましたが、こちらは35ミリより大きいサイズのフィルムです。またカメラ自体も大きく、個性的なデザインのモデルが豊富に用意されています。
中判用フィルムはブローニーフィルム(120フィルム)とも呼ばれ、35ミリフィルムが撮り終わったらパトローネに巻き戻すのに対し、ブローニーフィルムは撮り終わりは全て巻き取り切る一方通行タイプです。
カメラやフォーマットにもよりますが、基本的に一本のフィルムで8枚〜16枚撮影可能で、36枚撮りの35ミリカメラより撮れる枚数が少ないじゃないかと思われるかもしれません。
確かに1本の撮影枚数は少ないですし(昔は2倍撮れるフィルムも多数存在していました!)フィルムの価格も上昇気味の昨今、躊躇ってしまうのも十分わかります。
しかしそんな不安も吹き飛んでしまうほど圧倒的な面積で、一度味わうと病みつきになってしまう魅力を秘めています。
実に35ミリフィルムの何倍もあり、立体的な描写やプリントに引き延ばした時も非常に高精細な写真を楽しめます。
以下、作例を入れて各フォーマットを簡単にご紹介していきます。
・6×9判
こちらは120フィルム判のフルサイズ規格です。1コマ6センチ×9センチと、35ミリフルサイズの6.25倍にも及ぶサイズはリバーサルフィルムだとフィルムのまま鑑賞出来てしまうほどの大きさです。フォクトレンダーのプロミネント(花魁)やフジカGW690などが有名でしょうか。
・6×8判
こちらは比較的近代に作られた規格です。6×9判より1枚多く撮影できるのが特徴です。カメラは富士フイルム製のGX680やGW680があります。
(すみません、こちらは作例画像無しです!)
・6×7判
こちらも比較的近代の規格ですが、6センチ×7センチと6×9判より若干幅が狭く、また写真表現が変わることから多くのプロやアマチュアの方に人気の規格です。
特にアサヒ・ペンタックス67やプラウベル・マキナ67など今でも熱狂的なファンに支持されています。1フィルムで10コマ撮影できます。
・6×6判
コマが正方形で撮影できる、ブローニーフィルムならではの規格です。(一部例外アリ)
ローライフレックスなどの二眼レフ、ハッセルブラッドなどの中判一眼レフに採用され、ウエストレベルの上から見下ろしてピントを合わせる方式はアイレベルの一眼レフでは中々体験出来ないスタイルで、中判カメラを使う醍醐味の一つとなっています。1フィルムで12コマ撮影できます。
・6×4.5判
120フィルムのハーフサイズ版で6×9判の約半分のサイズです。
1フィルムで16枚(or15枚)撮影できます。ハーフといっても35ミリ判の3倍以上と十分な面積で、情報量もたっぷり焼き込めます。
マミヤ645やコニカパールなど時代を超えてモデルを選べるのも楽しいです。
カメラによって写真の比率や撮影枚数が変わってくるのが大きな特徴ですね。
35ミリ版カメラに比べて操作方法も独特な機種が多いため、機械仕掛けが好きな方はどっぷりハマってしまうのではないでしょうか。
中判カメラ。
敷居が一段高く感じるかもしれませんが基本的に“写真を撮る”ということは同じなので、各カメラの作法さえ覚えてしまえばそれほど構えすぎなくても大丈夫かなと思います。
お気に入りの一台を体の一部のように操って、自身の狙い通りの写真が出来上がった時は格別ですよ。