スーパーワイドヘリアー15/4.5(L39)と行く、港の見える丘公園

みなさま今年のGWはどう過ごされましたか？当店はもちろん通常営業でございました！ええ…。
少しでもGW気分を味わおうと一日休みを使って神奈川県は山手「港の見える丘公園」付近にスナップ撮影に行ってまいりました。

今回は目測式カメラ「フォクトレンダー・ベッサL」に超広角レンズ「スーパーワイドヘリアー15/4.5」を付けて出発です。

「ベッサ-L」と「スーパーワイドヘリアー15/4.5」は1999発売の機械式カメラ＆レンズです。
ところで“フォクトレンダー”は世界最古のカメラメーカー(創業は1756年！)で、ツァイス・イコンに吸収合併されたあと一般向け事業から撤退してしまいましたが、日本のカメラメーカー「コシナ」が商標の使用権を獲得しフォクトレンダーブランドを復活させました。
そしてコシナは現在も「フォクトレンダー」銘をはじめとする優れたレンズを産み出しています。

さて、このベッサL。プラスティック素材を多く使ったボディは非常に軽やかで、されど核心部分は金属製なので必要な剛性は確保出来ています。

距離計は未搭載なものの、露出計が標準装備・シャッター速が最高1/2000とあると嬉しい機能が詰まっています。

そして、スーパーワイドヘリアー15/4.5。現行のZMマウント用では距離計連動しますが、L39マウントの初代ではBessa-L用に作られたため、距離計は非連動です。
しかし、後継機種に比べ小型・軽量なレンズはそれを補えるほどの機動力で、未だスナップ写真の第一線で活躍してくれそうなポテンシャルを秘めているように感じました。

フィルムはフジフイルムの「スペリアエクストラ400」。
担当が8年ほど前に一番最初に買ったフィルムカメラでずっと使っていたフィルムでしたが、一度生産終了に…。その後2022年に再販され現行品として今もラインナップされていますね。

さてこの超広角レンズ、写りはというと…

遠近感の強調された非常に広々とした写りになりました。実際には噴水がもう少し近いのですが、かなり距離を感じますね。

空の色と雲の形が素敵で撮ってみました。被写界深度が深いので、ｆ8に絞り込めばほぼパンフォーカスで撮影できます。

このレンズは最短撮影距離が30cm。ファインダーも覗かずにお花に近づけてシャッターを切りました。赤と黄色の発色が鮮やかです。

標準レンズだと視野が狭く感じそうな構図も広く映し出すことが出来ました。

超広角レンズのため、うっかりフチに指が入っちゃいました。カメラの構え方にも細心の注意が必要です。

【まとめ】
今回はｆ8～11ほどに絞ってパンフォーカス気味のスナップ撮影でした。細かいピント調整は出来ませんが、構図以外の情報が入らないビューファインダーはヌケよく見渡せて、撮影がとても楽しかったです。
気を付けるところは外付けファインダーということもあり、画角に指が入り込んでしまっていないか注意していただきたいです。
また超広角は被写体から非常に遠く写りやすいところ、余分なモノまで画角に入ってしまいやすい点も構図を決める際に今一度確認してほしい所だと思いました。

スーパーワイドヘリアー15ｍｍは非球面レンズを採用しているからか非常に現代的な写りに感じられました。
若干四隅の光量が落ちていますが、逆にいい味になってるかと思います。
アダプター経由でライブビュー機能対応のデジタル機に使用したら、ピンの位置も視認できてとても使いやすそうです。

再販されてから初めてのX-TRA400試写でした。同社のスペリアプレミアム400に比べ、ややあっさりとした描写に感じました。かといって空の青さや花の発色など、けっして薄味ではない描写をしてくれました。オールマイティに使いやすいのではないでしょうか。

柔らかなイメージに隠された非常にアグレッシブな組み合わせ。
我こそは使いこなせる、と腕に自信がおありの諸兄にもいかがでしょう？