最近めっきりフィルム代も上がってまいりましたね。昔みたいにカシャカシャとフィルムを消費しづらくなっている情勢です。
そんなときには1コマで2枚撮影できる「ハーフカメラ」が非常に便利です。
気軽に撮影がしたいときには完全オートの大ヒット作「オリンパスペンEE-3」がおすすめですが、もう一歩本格的に踏み込んだ写真を撮影したいときにおすすめ出来るハーフカメラが「オリンパス PEN D」シリーズです。
“¥6000で買えるカメラ(当時)”をコンセプトにしながらも、徹底したレンズ設計で決しておもちゃカメラにはさせなかったオリンパスペンは1959年に誕生しました。
このペンに、外部露出計を搭載したのがPEN Dシリーズです。
セレン光電池によってシャッタースピードや絞りを自動で設定してくれるEEシリーズと違って、露出計以外はフルメカニカル式という尖ったカメラ。
露出計にはEV値が記載されており、メーターの示す数字になるように絞り・シャッター速を合わせれば露出が合います。
フィルム室は分離式で、初代PENやニコンS型に馴染みのある方には見慣れた光景ですね。
フォーカスは、penシリーズ同様の目測式です。ローライ35などのユーザー様はお手の物かとは思いますが、初めて扱う方には少々敷居が高く感じられるかもしれません。
目測式とは、被写体の大まかな距離を自分でピントリングを回して設定する方式です。
たとえば被写体との距離が2mほどであれば目盛を2mに合わせて、遠くの山などなら目盛を∞に合わせる、といった具合です。
もしピントを合わせるのが不安な方は絞りを大きく取り、被写界深度(ピントの合う範囲)を広く取る使い方が安心かなと思います。
また1コマを縦に二分割するシステム上、ファインダーも縦構図がデフォルトになります。つまり、横構図の写真を撮りたいときはカメラを縦に持つ必要があります。慣れないうちはちょっと戸惑うかも知れませんが、むしろスマホ画面と同じ感覚で使いやすいかもしれませんね。。
さて、試写の結果です。
以前(春先頃)に撮影した写真からピックアップしていきます。
【まとめ】
こんな小さなカメラとは思えないほどの実力を秘めたカメラでした。さすがにズボンのポケットには入りませんが、十分コンパクトで軽量なので首から下げていても疲れにくいのは撮り歩き派さんにも嬉しいのではないでしょうか。
反面、慣れが必要かなと感じたのは
・目測式なのでピントが合っているかが厳密には分かりにくい。
・裏ブタが分離式なので、立ちながらのフィルム交換は難しい。
のあたりでした。
可能な限り絞り込んで被写界深度を広く取り、フィルム交換は椅子など座れるところでゆっくりしっかりと落ち着いて交換してもらえれば間違いないかな
と思います。
また内蔵の露出計は経年で劣化している可能性もあるので、スマホの露出計アプリを用意しておくと安心かなあと思います。
あとはフィルムカウンター。フィルムセットしたら自分でカウンターを合わせないといけないので、忘れないように注意が必要です。
名匠、米谷美久氏が“ライカのサブカメラとしても使えるカメラ”を目標に作り上げたペンシリーズ。
その真価をお試しになってみてはいかがでしょうか?
【オリンパス関連商品】
・オリンパスPEN (三光商事製) (A1009)
・オリンパス OM-4 Ti ブラック (A2385)
・オリンパス PEN E-PL10 ホワイト MZD 14-42/3.5-5.6EZ付 (A2831)