かつて日本に存在したメーカー、アイレス写真機製作所(旧ヤルー光学)が1958年に世に送り出した35mmカメラです。
おそらく、当時出ていた国産カメラの中でもっともM型ライカにデザインが似ているカメラなのではないでしょうか。
ただし、本家ライカは布幕フォーカルプレーンシャッターなのに対し、こちらはレンズシャッターカメラです。
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シャッター速はB〜1/500。シャッターボタンの後ろにレリーズ用の穴が実装されているなど、珍しいデザインです。また、ボディ前面には多重露光&巻き戻し切替レバーが付いてます。
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軍艦部に収納できる巻き戻しクランク。横のバッテンはフィルムの給送に連動した目印です。
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このカメラはフィルム装填にも個性を発揮します。
底蓋はライカのようにノブ式で外しますが…。
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さらにもう一段階。フィルム室下部の釦を押して裏蓋を開いて装填します。
最初は手間に感じますが、おかげでフィルム装填を楽に行うことができます。
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さらにファインダーは自動補正機構が搭載されていたりと、この頃のカメラには作り手側の並々ならぬ気合を感じます。
さて、気になる実写ですが…。
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f8程まで絞ると、かなりシャープな写真になりました。
![](http://katsumido-blog.com/wp-content/uploads/2021/11/FH000022-600x402.jpg)
絞りを浅めにしてみました。壁のレンガやオブジェの解像感は中々だと思います。ボケも柔らかい感じがして、個人的には好みです。
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わざと意地悪して逆光で撮影してみました。中央に五角形の絞りのゴーストと、左側に三角のゴーストが発生しました。これはこれでまた面白い一枚になりましたね。
固定レンズなので、この一台で完結するシンプルなシステム。
金属製でズシリと重く二重像は見易いとは言いづらいですが、触っていて非常に面白い一台でした。
程度の良い個体を見つけたら、ぜひお手にとってみていただきたいカメラです。
![](http://katsumido-blog.com/wp-content/uploads/2021/11/P1010035-600x450.jpg)