標準レンズ3種撮り比べ

camera: bessa-L、Canon 2D改
lens: canon 50/1.8、topcor 50/2、 jupiter-8 50/2 (全てL39)
film: Kodak GOLD 200

異なるメーカー3社の標準レンズを撮り比べてみました。
開放F値こそ違いますが、ともに50ミリの標準レンズ。果たして描写にどんな違いがあるのか…

【キヤノン 50/1.8】
まずはキヤノンの50ミリ1.8。開放F値が明るく価格もこなれていることから、L 39マウントレンズの入門としてお求めになった方も多いと思います。当初こそレンズは日本光学(ニコン)に協力してもらっていましたが、1946年から自社製レンズを作成・採用しました。しかしこのモデルは当時採用された硝材の材質的にクモりやすい様で、購入の際は念入りに確認が必要です。

今回の試写は固定鏡胴になったモデル。スタンダードで非常に使いやすいです。
日陰の撮影だと若干渋い色に。ですが、決して悪くありません。

【ジュピター8 50/2】
何かと話題の絶えないロシア(ソビエト)レンズたち。終戦直後にカール・ツァイスの技術者を連行し、写真機を製作させたのは有名な話。特に初期のものはドイツで作られ実質カール・ツァイス製と言われコアな人気を誇っています。
その中で“ゾナー”のクローンと言われるジュピター8のL39マウント版です。
ロシアレンズは1本1本の程度がとても激しく、当たりハズレがあると言われています。特に無限遠が来ないモノに当たるとなると撮影に支障が出ますので、できるなら実機に装着して確認していただく方が安心です。
今回試写したレンズは後期モデルで黒鏡胴、アルファベット表記の銘板でした。

鮮やかな発色です。絞りはクリック無しで少し使いづらいかもしれません。
影の部分もしっかりと表現してくれました。

【トプコール50/2】
個人的に大好きなメーカー、東京光学(トプコン)の廉価レンズ。ライカコピーメーカーの中でも定評のあったレオタックスの付属レンズとして作られました。
もともとはレンズシャッター機の“トプコン35S”のレンズ44/2を発展させたレンズの様です。いわゆる「和製ズミクロン」の一つとして有名ですが、かつては「陸のトーコー、海のニッコー」と言われる様に日本光学(現ニコン)とも互角に肩を並べた光学メーカー。今でも高めの価格帯で維持されていますが、個人的には満足感が高いです。

看板の彫り込みや暖簾の合焦部分からなだらかにボケていく写りが気に入っています。
見たままに近い色の再現をしてくれました。

おまけ

【トプコール50/3.5】
こちらもレオタックスの付属レンズとして作られました。いわゆる廉価レンズのカテゴリーですが、他のメーカーでは中々見ることのないスパルタンな意匠が目を引きます。廉価とはいっても東京光学、決して手を抜いておりません。

F値は暗めですが、その分シャープに写してくれます。

【関連商品】
キヤノン 50/1.8(K0474)
トプコール 50/2 (R1168)
トプコール 50/2.8 (A1286)