【初心者向け】これからフィルムカメラを始める方へ ~一眼レフ編~

フィルムカメラを本格的に始めてみたいという方にまずおすすめしたいのは「一眼レフカメラ」、特にピントも自分で合わせるMF(マニュアルフォーカス)一眼です。

ニコン一眼レフの代名詞「ニコンF」です。


“一眼レフ”とは聞いたことがあるものの、漠然としか分からない方に簡単に説明すると
“レンズを通して覗いた光景をそのまま写真にする”カメラというタイプです。
レンズに写ったものがカメラに搭載されているミラー(鏡)に反射してファインダー(覗き穴)越しに見ることが出来ます。
一眼レフという名称もミラーの反射“レフレックス”を利用しているところから来ています。
現在主流のデジタル一眼レフも機構的には同じで、フィルムに当たる部分がセンサーになっています。
逆にミラーレス一眼はこのミラーを取っ払っちゃって、レンズを通した画像をセンサーで直接記録する、といったイメージでしょうか。

レンズに写った映像はカメラ内のミラーに反射して、すりガラス状のスクリーンを通ります。
そして、プリズムにてさらに反射しファインダーに届くのです。


ライカなどのレンジファインダーカメラ、ローライ35などの目測式カメラと違い直接レンズ越しに被写体を見れるので、ファインダーと実際に撮影できる構図に差がありません。
また、より遠くの被写体を撮影できる“望遠レンズ”や花など目いっぱいまで近づける“マクロレンズ”といった専門的な撮影にも簡単に対応できるシステムが揃っています。
こういった性能は、基本的に素通しファインダーのレンジファインダー機では苦手とするところがあるので、オールマイティに活躍してくれます。

こちらはマクロレンズ(Micro Nikkor 55/3.5)。レンズ単体で24.1㎝まで寄ることが出来ます。
こちらは望遠200mm(Nikkor 200/4)。遠くの被写体をダイナミックにとらえることが出来ます。

ここまで長所を挙げてきましたが、短所も勿論存在します。
ひとつは、ミラーが入っていることでサイズがレンジファインダーカメラに比べて大きくなってしまうこと。
レンズタイプにもよりますが、レンズの大きさもかなり差があります。

ボディの厚み自体はそれほど変わらないように見えますが、ミラーボックスの都合上奥行きに差が出ていますね。
一眼レフ「ニコンF」とレンジファインダー機「ライカM3」同じ50/2のレンズでも、かなりサイズに差がありますね。

次はレリーズの際のミラーの昇降による「ミラーショック」と「ブラックアウト」です。
さきほど被写体をレンズを通して鏡に反射させて覗けると言いましたが、シャッターを切ったときにシャッター幕が開くと同時にこのミラーが跳ね上がり被写体をフィルムに焼き付けます。
その時の衝撃で写真がブレてしまうことがあります。
これが「ミラーショック」です。
特にシャッター速度が遅い時ほど影響を受けやすいので注意が必要です。

カメラの内部に見えるミラー。ここが反射した映像がファインダーに見えます。
シャッターを切ると、ミラーが上に上がり、ファインダーを塞ぎます。
そして同時にシャッター幕が開き、フィルムに画像が当たります。


そして「ブラックアウト」。
一眼レフの構造上、シャッターを切ってミラーが上がってからまた降りて来るまでファインダー内が真っ黒になります。これが「ブラックアウト」です。
ミラーが上がっている時間はファインダーに何も映らないので、その間被写体がどんな状態か分からないということがあげられます。
また一眼レフの中には、シャッターを切った後に巻き上げないとミラーが降りてこない機種もあるので注意してください。(比較的古い機種に見られます)

シャッターを切るまではファインダーから確認できますが…
シャッターを切ってからミラーが降りるまで何も確認出来なくなります。
ちなみにレンジファインダー機はレンズを通して直接見てないので、シャッターが開いている最中もファインダーが塞がれることはありません。

と、一眼レフの苦手なところをご紹介しましたが、その短所が気にならないほど撮影の幅に広く対応できるので、「具体的に何を撮っていきたいのかまだ決まっていない」方にも非常にお勧めできるタイプだと思います。

最後に、初心者の方にも触りやすい一眼レフを何機種かご紹介していきます。

【ミノルタ SR-101】

ミノルタ製のMF機械式一眼カメラです。少し大柄ですが決して持ちづらくはなく、非常にシンプルなので扱いやすくお勧めです。

【オリンパス OM-1】

小型一眼レフとして名を馳せた名機。優しいシャッターフィーリングは思わずクセになってしまいそうです。

【ニコン New FM2】

非常に耐久性に優れたモデルで、写真学校の教材としても長年活躍していました。

上記のカメラは電池が無くても(露出計は使えなくなるけど)撮影可能な「機械式シャッター機」でした。
次は電池を使用することで“自動露出機能”が撮影の手助けをしてくれる「電子シャッター機」をご紹介します。

【キヤノン AE-1】

シャッター優先AEを搭載したベストセラーモデル。軽快に撮影が楽しめます

【ニコン FE】

シャッター優先のキヤノンに対し、絞り優先AEを搭載したニコン。電池切れでも緊急シャッターを備えています。

以上、おすすめ一眼レフのご案内でした。
皆様の琴線に触れる一台はありましたでしょうか?
予算やコンディションをお店の方と相談して長年付き合えるパートナーを是非見つけてあげてください。
フィルムカメラならではの金属の質感、シャッターの感触などをお楽しみいただければと思います。

【一眼レフカメラ関連商品】
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