キヤノンを代表するフラッグシップ機であり、80年代を代表する銀塩一眼レフでもある『キャノン New F-1』。
スタイリングは伝統的な一眼レフを踏襲していますが、このカメラのために新開発された塗料を用いた独特な風合いのマットブラックなボディが、スパルタンな風情を醸し出しています。
そんなNew F-1を観察して思うエモいポイントはここ!
ここ…ですけど、見難いので角度を変えてみます。
ここ。はーい、押しまーす。
はい押した。ここ、ここです。
AEファインダーの側面から飛び出しているAEセットレバー、の、裏側。
レバー状のスイッチがあって、それを、シャッタースピードダイヤルにある銀色の突起が押す。と、絞り優先AEのスイッチオン。
プロの使用にも十二分に耐えうる耐久性とシステマチックな機能性を持つ名機ですが、この「突起がレバーを押す」というアナログな作動が、なんとも言えないです。
大げさに言えば、強く完璧なヒーローの弱点を見てしまった様な。頭良しルックス良し、いつもクールでかっこいいあの人の意外な一面を見た時の様な。隅々まで隙のないアートや理論に、綻びを見つけてしまった時の様な。
そんな、キュンとする様な、残念な様、驚愕する様な、見てはいけないものを見てしまった様な、なんとも言えない複雑な感情が湧いてくるのです。
キヤノン NewF-1 AEのエモいポイントは、間違いなく、このセットレバーの機構。
異論は認めます。