国産新フィルム!「MARIXフィルム100D」

フィルムの写りが好きなのに、フィルムカメラを買ったのに、フィルムが買えない…
そんな情勢を解消すべく立ち上がったブランド「マリックスフィルム」。
動画サイトで某フィルムカメラ系トラック運転手さんなどこのフィルムを紹介してくれているコンテンツも色々登場してきています。

シネマフィルムをフィルムカメラ用に加工した、いわゆる「シネマティック」な描写が特徴です。
現在はカラーネガ、モノクロ共に100・400のラインナップを展開されていますが、今後バリエーション展開する予定(※2023/02現在、800Tも展開されているようです)とのことでフィルムファンとしては非常に嬉しいニュースですね。

そんなマリックスフィルムの試写を行なってきました。
感度はカラーネガタイプISO100(24枚撮)。
今回はフジフイルム仕上げとコダック仕上げ両方とも試してみました。
カメラはニコンのAEカメラ「ニコマートEL」「ニコンFE2」を使用しました。

ニコマートEL。ニコン銘ではありませんが、「Nikon」の血が受け継がれています。

まずはフィルムの外装から見ていきます。

カラフルなロゴが特徴です。
メジャーなC-41現像に対応。これは嬉しいですね。
パトローネはプラスティックの組み合わせ型。少し不安ですが…
DXコードは未対応の様ですので、DXコードを使用する際は別途購入が必要です。

さて、今回の試写の結果です。
まず最初に、フジフイルム仕上げの方を見てみましょう。

ニコマートEL new nikkor 50/1.4 フジフイルム仕上げ
ニコマートEL new nikkor 50/1.4 フジフイルム仕上げ
ニコマートEL new nikkor 50/1.4 フジフイルム仕上げ

どこと無く湿気を纏ったしっとりした写りに感じました。ニコンのレンズが反映されたのか、渋みのある色味のシャープな描写です。

続いてはコダック仕上げです。

ニコン FE2 Ai 50/1.8 コダック仕上げ
ニコン FE2 Ai 50/1.8 コダック仕上げ
ニコン FE2 Ai 50/1.8 コダック仕上げ
ニコン FE2 Ai 50/1.8 コダック仕上げ

フジ仕上げに比べて黄色味が強く少しドライに感じました。強い光源が入るとかなりハイキーに写りやすいようです。
個人の感想ですが、クリストファーノーラン監督の映画「テネット」を連想する色味でした。風景撮影はなかなか相性良く感じましたが、人物ポートレイトの写りには好みが分かれるかも知れません。

【まとめ】
それぞれ別日に撮影したので天気や時間帯も全く違うため一概に比較はできませんが、まるっきり違う表情を見せてくれたのはビックリでした。
現像方法の選択肢によって、一粒で二度美味しいフィルムかも知れません。
どちらの試写でも強い光源には周りが赤く滲む特性があるようです。
アイデア次第で上手く演出できそうですね。

注意点としては、
・カメラによって1枚少なく撮れてしまう可能性がある
・光線カブりの危険があるので、フィルム確認窓がある機種は遮光する
・DXコード未対応なので、カメラ側でISO設定をする

を公式でも推奨しているので、以上の点を納得した上でお楽しみ頂ければと思います。

今までと一味違う写りのフィルム。日常に非日常的スパイスとしてお試しになってみてはいかがでしょう。