二眼レフの愛好家にとってあこがれのカメラのひとつである『ローライフレックス』
ドイツの名門フォクトレンダー社から独立した2人の元社員が興したフランケ&ハイデッケ社が1929年に生み出したこのカメラは世界の名機として今も圧倒的支持を受けています。
特にカールツァイスの銘レンズ『プラナー』、露出計の搭載された1960年登場のベストセラーモデル『ROLLEIFLEX 2.8F』が今でも不動の人気を誇っています。
状態によってピンキリとはいえ、かなりの高価格帯に位置する本モデル。
もちろん最高峰の写りを楽しめるのが醍醐味のひとつではありますが、
『まずはローライフレックスというカメラに触れてみたい』
という方へ。今回ご紹介する『ローライフレックスMX』はいかがでしょう?
1951年に発売されたモデルで、フラッシュのシンクロ接点をMX切替できるように改良されたモデルです。『V型』『3.5MX』『オートマット3.5A』など、複数の呼び名があります。
特にこのオートマット機構によりフィルム装填時に『ローラーの隙間にフィルムを通せばスタート位置合わせしなくても一枚目でストップする』メカニズムは世界を驚かせたと言われています。
さらに2種類のラインナップがありどちらにも3群4枚構成のf3.5レンズが搭載されています。タイプ1にはテッサー。タイプ2にはクセナーが付いています。
それでは試写の結果です。
飯能市ムーミンバレーパークにてスナップ撮影しました。
今回はロモグラフィーのカラーネガISO400を使用。
冒頭のアンブレラスカイもムーミンバレーパークにて撮影しました。
テイクレンズに少しキズが多めだったからか、上の方は少しフレアっぽく見えますが、被写体のお家は見たままの質感で写せたかと思います。
後方の木が少しザワッと感じますが、ピントの合った看板は非常にシャープにとらえられているかと思います。
斜め上に構えて天井のランプを。1/5秒位だったので心配でしたが、それほどひどくブレ・ぼけしていなくて一安心です。
【おまけ】
以前の記事にてベッサ-Lとともに持ち出してみました。
フィルムは富士フイルム『PRO160NS』を使用。
f5.6程で撮影。バラの立体感が感じられる描写になりました。後ろのボケもうるさくなく、主役を引き立ててくれました。
あいにくクローズのお時間でしたが、おしゃれなレストランの看板をパチリ。緑や花の発色も鮮やかに写り、影の部分もしっかりと残っていました。
f8程まで絞ると中判フィルムの解像力に改めてビックリしました。ベイブリッジを渡る車両まで確認出来ちゃいそうです。
【まとめ】
初めてのローライフレックスは精巧な機械を操り、出来上がりの上質なプリントを楽しむ非常に贅沢な体験でした。
国産の中判カメラとは明らかに違う質感を映しこむレンズは、されど決して違和感ないバランスで切り取る世界を彩ってくれました。
露出計は搭載されていないので迅速な撮影は苦手ですが、機械式マニュアルのフィルムカメラならではのゆったりと時間をかけて撮影を楽しむのにうってつけではないでしょうか。
使っていてひとつ気になったのは、レンズシャッター機はシャッターチャージ後に速度を変えてはいけない…と耳にしたことがあります。
オートマット機の愛好家の皆さまはどのタイミングで調節しておられるのでしょう?
カールツァイスとシュナイダー。それぞれの毛色はありますが、メイド・イン・ジャーマニーならではの写りを試してみてはいかがでしょうか?
【Rollei関連商品】
・ローライ Duonar 2× T (G5030)
・ローライ ローライフレックス用革製ピントフード (B1210)